なんのために物事に向き合うか
こんにちは、紺野うみです。
時事ネタになってしまいますが、日大アメフトの悪質タックルの件、ここ数日持ちきりでしたね。
私はもちろん当事者ではありませんし、その世界に詳しくもなく、無責任にあれこれ言うつもりもないのですが……。
率直に、最近のニュースで思うことがあるんです。
なぜこんなにも、人の上に立つ人間の在り方に、がっかりさせられることが多いのだろうかと……。
前を歩いて多くの人間を導くべき立場にいるはずの人なのに、その人の考え方や心の在り方、そして目指しているものが、明らかに「どこかずれているんじゃないか」と思ってしまいます。
今回の日大アメフトで言えば、渦中に置かれているのは、まだ大学生の若者たち。
彼らは自分の好きで始めたはずの「アメフト」の世界を通じて、教師(監督・コーチなど)や仲間と共に、日々たくさんのことを学んでいたはずです。
尊敬するリーダーや先輩に出会ったり、信頼する仲間とキツイ練習を乗り越えたり、自分の背中で後輩の手本となるように心がけたり……。
そんな経験やプロセスを経てこそ、結果として「勝利」を掴み、その先に「心からの達成感」が存在するのではないでしょうか。
「目的を達成するためなら、なにをしてもいい」なんていう無茶な理論は、あるべきではないと私は思っています。
完全に外野にいる私には、いろんな人の気持ちを想像していくことしかできませんが……。
相手のケガを負った選手も辛いに決まっていますが、何よりも辛いのは、反則タックルを行った選手や一生懸命ここまで努力してきた選手たちです。
反則と言われるようなタックルをしてしまった本人は、その行為を後悔し、心に傷を負ったことでしょう。
(いくら「やらざるを得ない状況に追い込まれたから」といっても、本人がアメフトという世界を好きであればあるほど、あのような行為で勝ったからといって心からの喜びは得られないでしょうし、自分で自分を責める気持ちが長く心に残ってしまうはずです。自分で自分に背負わせる「後悔」は、人がはたから思うよりも重くのしかかるものですから)
日大チームの選手たちも、「今まで信じて頑張ってきたものは、一体なんだったのだろう」と、心に問いかけたくなることだろうと思います。
そして、アメフトの世界そのものを愛している人や、純粋にアメフトを楽しんでいる人も、このような形で「自分の好きな世界」が汚されてしまうことには、やるせなさを感じたはずです。
勝負事の世界は、「勝ち負け」の意味や影響力が特に大きいことも分かります。
でも、大きな目で見た時に、本当に一人ひとりの人生に意味を持つものは、「勝ち負け」そのものだけじゃないはず。
勝つために、手段を選ばない。
なりふり構わずの手段を取って、仮に勝てたからといって、果たして心から喜べるものでしょうか?
「なんのために物事に向き合うか」ということは、すべての世界に共通して言えることだと思っています。
選手たちがあとあと振り返って後悔するようなことを、なぜ尊敬するべき立場にいる大人がさせてしまうのでしょうか……。
指導者にあたる人たちは、自身へのさまざまな影響を気にする前に、己の心に向き合うといいのではないかと感じます。
誰にとっても、自分の心に恥じるようなことをしていないか、自分を信じている人に対して申し訳が立たないことをしていないか、自分で自分に問いかけてみることが必要です。
この部分を誤魔化し始めると、最終的には自分にとっても、つらく苦しい状況に陥ってしまいますから……。
「そんなつもりはなかった」「そういう意味で言ったわけじゃない」とのことでしたが、正直なところ、仮に本当に本意ではなかったとしても、選手の側が「そう受け取った」なら、それが「結果」であり「事実」です。
導く立場にいるのですから、その心理を慮ってケアしてあげられなかったことがすべてで、指導者の落ち度でしょう。
素直に、「追いつめてしまって申し訳なかった……」と伝えてこそ、本当に人が尊敬し、後ろをついていくような人間になるのではないでしょうか。
厳しいですが「人を育てる」とか「人を導く」というのには、それだけで大きな責任が伴うものなのだと私は思っています。
かつて私も「子どもたち」を相手に「指導」を行う機会がありましたが、その責任の重さは正直に、とても怖かったのを覚えています。
まだまだ未熟な自分という人間のあらゆる言動が、子どもたちの人生に「影響」していくことを思って、恐怖を感じたり、自信を無くしたこともたくさんありました。
人間ですから、失敗は誰にでもあります。
指導者だって、時に間違えることもあることでしょう。
問題は、それを逃げたり誤魔化したりするのではなく、素直に認め改めることなのではないでしょうか……。
政治の世界だってそうですが、これ以上人をがっかりさせたり失望させたりしない、大人や指導者、リーダーが世界に増えてくれたらと願ってやみません。
その存在は、暗闇の中でも必ず人の心を照らす光になるし、希望になりうるからです。
それには、誰もが「自分の心」を強く揺るがぬものにしていく必要があると、最近強く感じています。
私も、まずは自分自身の心の在り方を見つめて、それから周りの世界に対する自分の影響を考えながら、日々を過ごしていこうと……。
そんな感想を抱きました。
日々の出来事は、自分に「考えるきっかけ」を与えてくれるものですから、その一つひとつから何を導き出すかは人それぞれ。
「無駄」なものごとは、自分の気持ち次第でなくなります。
最終的にはどんなことも、できるだけ自分の心に前向きなパワーを残すようにして消化していこうと思っています!
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