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私の中に誰がいる?

自分を強くしてくれる、ちょっと不思議な心理学!『自己人格分析』研究のまとめブログ★

第09回 私が彼らに出会うまで⑧


 

前回のあらすじ。

アニキの意外な効能(笑)に気づいた紺野。

委員長は大丈夫かな?

そして謎の男の子、まもるくん…。

隠れキャラのまもるくんに会うには、やっぱり中に行かないと!(by リンさん)

 

「…ざっくりすぎません?( ^ _ ^ ;」

「要約って言って。超簡潔にまとめたでしょ?´∀`*)b」

「リンはいっつも適当だからなぁ…」

「あっ! 否定はしないけど、アニキには言われたくないなぁ(*-`Д´-*)」

「あ…否定はしないんだ。笑」

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心の中に降りて、私はまっすぐ菫色の扉に向かいました。

そこが彼の部屋なのだろうということは、不思議と直感的に分かっていたのです。

相変わらず広間はしんとしていて、誰の姿もありません。

たまにアニキの存在を感じる瞬間には、彼はもうこの広間まで普通に出てきているのですが、私が降りていく時はひっそりしています。

静まり返っている広間に、その時は「まだあんまり信用してもらえてないのかな…」などと思ったりもしました。

けれど後から思えば、その頃はまだアニキをはじめ彼らの存在を知ったばかりでしたから、戸惑いやらなにやらで、私の方が彼らをきちんと信頼しきれていなかったのでしょう。

そういった部分を、当然心の中にいる彼らも敏感に感じ取っていたのだろうと思います。

だからこそ、まだ私の前に気軽に出ては来なかったのだと考えると、合点がいきます。

その時はグリーンダカラちゃんも部屋の外に出てきていなかったのですが、私は構わずに菫色の扉に直行していました。

どうしても、気になって仕方がなかったのです。

もし私の直感が当たっているとしたら…それはあまりにも酷なことだと思いました。

つまり、その人物に重荷を背負わせているということに他なりません。

その頃はそれぞれの住人を苦境に置いてしまっていたことに変わりはないのですが、それにしたっていちばん苦しい時にだけ出てきてもらう役だなんて、都合が良すぎる気がしました。

扉をノックしてずいぶん待ったのですが、反応はありませんでした。

思いきってドアノブに手をかけ自ら扉を開けようとしてみたところ、意外なことに菫色の扉は何の抵抗もなくあっさり開いてしまいました。

拍子抜けした後、恐々覗いてみれば、中は真っ白な空間。

広間と同じように、壁も床も天井も白いのです。

私が見たグリーンダカラちゃんリンさんの部屋のように、特徴と言えるようなものがありません。

そしてその部屋の隅に、十代後半くらいの男の子が、壁に背中を預けるようにして静かに座っています

黒髪で地味な印象の彼は、ただ一つ自分のそばにラジカセを置いて、ぼんやりと歌詞のない静かな音楽を聞いているのでした。

私はなにも言えずにしばらく「まもるくん」を見ていたのですが、話しかけてみようという気持ちにはなれませんでした。

彼は完全に世界を閉じてしまっているような雰囲気で、こちらを見ようともしません。

自分の中を穏やかにするためなのか、外界を遮断し、することといえば慰めに音楽を聞くくらいのものなのでしょう。

見れば、着ている服も、飾り気のない白い服です。

これほど何もない部屋を目の当たりにして、私は何も言えませんでした。

私は扉を閉めて、何もしないまま中から戻りました。

心の中に行く時は決まって眠る前にしていましたから、その時もうとうとしながらまもるくんについて考えていた記憶があります。

彼に嫌なものをすべて押しつけてしまっているような状況に、まもるくんごめん…と思いながらも、どうすれば良いのかなんてまったく分かりませんでした。

それからも、度々まもるくんは苦しい時に身代わりになるかのように出てきてくれていたのですが、その頃はそれに甘えていることしか出来ていませんでした。

ただ、彼の存在を知って更に、もっと自分の心や気持ちを大切にしなくてはいけないんだ…という気持ちになっていたことは確かです。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

こうなったら、最後の栗色の扉にいる人物が誰なのかについても、知らなければ…と思いました。

次に心に降りた時のことです。

栗色の扉を訪ねた時、その人は静かに机に向かい、なにやら熱心に書き物をしていました。

熱中しているからか、今は話ができるその時ではないということなのか…部屋に入り込んだ私のことには気がついていないようでした。

ヒロさんは、和服で眼鏡で穏やかそうな30代くらいの男性です。

その姿を一目見た時から、そういえば彼の要素はこれまでも自分の中にあったな…と、すとんと腑に落ちたような気がしました。

その時点ではまだ、ヒロさんと喋ったわけでもないのでまったく不思議なのですが…。

この人はどんな人なんだろう? と考え始めてみれば、「こういう性格だな」というのが最初から分かっていたかのような感覚でした。

まあ、自分の中にいたということは、本質的な意味では旧知の仲ということなのでしょうか?笑

 

いつもへらっと笑って、状況を当たり障りなく乗り切るのが彼のスタンスなのです。

争い事を避けるタイプなので、長いものに巻かれがちなところがあるのかもしれません。

そんなこんなで住人たちのなだめ役ばかりしている、比較的大人なキャラクターのようでした。

つまり、ヒロさんこそが私の感情の制御装置のようなもので、たとえば多少人から嫌なことをされたとしても「仕方ないですよ」と私自身に言い聞かせているところがありました。

こういう時に「住人」がいるとたとえが非常に楽なのですが…(笑)

つまり、例えばアニキが何かに対して腹を立てたとしますね。

それを「まぁまぁ、怒ったってしょうがないでしょう」と落ち着けてくれているわけです。

 

加えてヒロさんは私の「好きなもの」を担っている役のようでした。

書き物と読書が好きで、部屋は和室で着物姿…と、のものに目がないのです。

ただし、現在はリンさん同様部屋に閉じこもるよりほかない状況にいるのでしょう。

なにしろその時期は、自分の好きなことを思うままにできるような状況ではありませんでした。

彼がその要素を表出できていなかったとしても、納得出来てしまいます。

ヒロさんの存在も、限りなく薄くなってしまっているようでした。

結局直接コンタクトを取ったわけではないものの、ヒロさんについてきちんと「考えた」からなのか、私はある程度のところまでは彼の性質を理解できてしまったようなのでした。

 

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こうしてみると割とあっという間に、私は「6人の住人」を把握してしまったことになります。

自我状態療法」を試した初回からおよそ2週間後が次の回だったのですが、その時にはもう6人の特徴を紙に書きだしていっていましたっけ。笑

「こんなのがいました…」と苦笑交じりの私に、臨床心理士の先生も「ここまで短期間ではっきりイメージしてくるとは思わなかったです」と仰っていましたから、それはそれでレアケースなのかもしれませんが。

さて、住人を把握した私にとって、ここが「自己理解の大きな転機」となるわけです。

 

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→ 次回、意識改革のスタート!

  住人の要素をふまえた彼らの活かし方に、紺野はいよいよ踏み込みます。

 

 

▲ Hiro / Rin