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私の中に誰がいる?

自分を強くしてくれる、ちょっと不思議な心理学!『自己人格分析』研究のまとめブログ★

第08回 私が彼らに出会うまで⑦

 

 

前回のあらすじ。

委員長と相容れぬ「怒り反発」を地で行くとんがりボーイは、檸檬色の扉に閉じ込められ隠されていたよ。

紺野が意識したことで、唐突にアニキ発見!(by リンさん)

 

「ねぇねぇ…なんかコレ『ふしぎ発見!』みたいじゃない?」

「……っっ!」

「アニキ珍獣みたいでうける」

「…もうっ! 笑かさないでください!(*´・д・)」

「あ? 誰が珍獣だって?(`д´#)=」

委・リ「Σ(・ω・ノ)ノ」

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

委員長はその頃、とにかく孤独に戦い続けていました。

暴れるアニキを必死に押さえつけながら、表でも粗相や失敗をしないように。

誰のことも信用できずにいた委員長は、すべてを自分の知るところで引き受けていないと安心できなかったのでしょう。

結果、誰にも頼らず弱音も吐けないまま、自分自身をすり減らしていたのでした。

 

恐らく、私が「自覚」したことで、委員長の頑なな守りに綻びが生じたのでしょうか。

それからとたんに、アニキが反発する姿を度々意識するようになりました。

しかし、それに反比例するように、委員長の元気が無くなっていったのです。

委員長はすっかり自信をなくし、びくびくと臆病になっていくばかりでした。

彼女は常に、自分に問いかけていました。

「私は間違っているの…?」

「でも、絶対に期待を裏切ることなんてできない!」

「私がしっかりしていないから、こんな風に迷ってしまっているのかな」

今までの紺野の行動を、全面的に管理してきたのは委員長なのです。

彼女は生真面目に、その責任を感じているようでした。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

自我状態療法においては、私が言うところの「住人」という概念を「パーツ」と呼んでいます。

ひとつひとつ、自我を持ったものたちのことですね。

そしてそのパーツの中でも、社会に順応するために心理的な外傷や葛藤を覆い隠すようにして、通常に出てきているいわゆる比較的「常識的な役」を担う者がいます。

そのパーツのことを「フロントパート」と呼ぶそうで、「フロント」ーーつまりその人の前面に立つ役割だという意味ですね。

それまで私にとっての「フロントパート」は間違いなく委員長だったということになります。

上司を信頼し、絶対的な確信をもって行動してきたはずの委員長は今、不安定に揺らいでいました。

自己矛盾のせいで、その概念が崩壊してしまったからです。

 

委員長ばかりではありません。私自身も、アニキの存在には戸惑いを隠せませんでした。

今まで微塵も、こんな怒り反発心には気づかずにいたのです。

どのようにアニキを扱うべきか、その時の私には分かりませんでした。

なにしろ、これまで怒りとは無縁に、穏やかな気持ちで過ごしていたとばかり思っていたというのに…。

自分の中にまるでモンスターのような問題児がいたなんて、にわかには信じがたいことです。

けれどもう、「押し込めて隠してしまう」ことなどできません。

そんな気力は、委員長にもありませんでした。

そしてアニキは、表に出てくる(対人時に姿を現す)ことこそなかったのですが、心の中でどんどん意見を主張するようになりました。

もちろん戸惑いはありましたが、私もそんな時はその感情の動きに逆らわず、アニキの声を聞きながらその波が過ぎ去るのを待つことにしたのです。

 

そして、ひとたびそうするようになってから、ひとつ気づいたことがありました。

不思議なことに、その頃アニキの主張を聞く中で、自分の気持ちがフッと落ち着く瞬間があったのです。

アニキの怒りを意識することで、私自身の溜飲が下がったということなのでしょう。

自分が怒るよりも先に人が腹を立ててくれたから、その同情に慰められて冷静になれる…といったようなことってありますよね?

そんな具合に、問題児だとばかり思っていたアニキに、思わぬ形で心を軽くしてもらえるということが、たしかにあったのでした。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

とはいえ、心の中では葛藤を繰り返しながらも、日常は止まってはくれません。

相変わらず悩みの渦中にいた私は、上司の前で萎縮緊張し続けながら過ごしていました。

委員長は存在感を薄くしてしまってはいましたが、上司への反発は委員長が本能的に避けているらしく、その部分の守りはある意味鉄壁だったと思います。

結果、アニキは当然出てこられないものの、委員長にとっても苦しい場面というのが往々にしてありました。

 

そんな折、私の中にまた、ひとつの可能性が浮かんできました。

心がいよいよ辛くなった時、感情のスイッチを切って乗り切ろうとしてはいないか…? と思い始めたのです。

その頃自分の心に対して注意深くなっていたからこそ気がつけたくらいの、微細なコントロールではありましたが、たしかにその瞬間は目の前のことを黙々とこなすことができています。

苦しさを感じることがないように、はなから感情を無にしてしまう。

…こうして言葉にすると「電源を切るためにコンセントを引っこ抜く」みたいな乱暴な印象もありますね。

けれど、その時自分の心を守るためには、それしか手段が残されていなかったのだと思います。

その気づきこそが、菫色の扉の中にいる男の子との出会いでした。

そのコントロールを難なくしてしまうのが、私の心を守ってくれる、「まもるくん」だったんですね。

 

まさかと思ってすぐに、私はまたセルフで心の中を覗きに行くことにしました。

アニキのような分かりやすいキャラなら、わざわざ出向くまでもないので良いのですが。笑

まもるくんは、一筋縄ではいかない気がしました。

なにしろ通常は気配を完全に消してしまっていますから、「たまたま見かけない後ろ姿をちらっと見かけて、慌てて追いかける」くらいのうっすい存在感です。

けれど、彼がしていることの重さといったら、ただ事ではありませんでした。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

→ 次回、まもるくんに会いに行く! の巻。

 

 

▲ Hiro / Rin