私の中に誰がいる?

自分を強くしてくれる、ちょっと不思議な心理学!『自己人格分析』研究のまとめブログ★

第06回 私が彼らに出会うまで⑤

 

前回のあらすじ。

自由の女神(違う…笑)、リンさん登場!

だけど彼女は出てこられない?(by リンさん)

 

「あのー。リンさんにここを任せると、変な誤解を生みそうなんですが(困惑)」

「えっ、ダメ? 多少ふざけないと重いじゃん」

「…ダメではないですけど。ちゃんと分かりやすく説明してくださいね」

「はいはーい♪」

「(苦笑)」

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ふと我にかえると、グリーンダカラちゃんが私の足元で、床にころころ寝転がったりして静かに待っているのでした。

彼女は私が自分の方を見たのに気づくと、またぴょこんと立ち上がります。

そして、どうする? とでも言いたげにニコニコと私の顔を見上げるのでした。

せめてもう一人くらい…。

会えるものなら会っておきたいと思い、私はその意志を伝えようとしたのですが、それよりも早くグリーンダカラちゃんがててっと駆け出しました。

私の考えてること、なんでも分かっちゃうみたいだなぁ…と思ったあと、そりゃそうだと納得。

私の心の中なんだから、当たり前か。

彼女は今度はまっすぐに、中央の机の向こう側にある、水色の扉の前で足を止めます。

もうあまりためらうことなく、私はグリーンダカラちゃんを信じて扉を叩いていました。

 まもなくして中から扉を開けたのは、高校生くらいの女の子です。

眼鏡で三つ編み、固い表情が印象的でした。

なんだか委員長っぽい子だなと思い、直感的に「委員長」と名前を決めてしまったほどです。

そして気になったのは、最初彼女の顔は暗い表情だったのですが、私の顔を見るなり条件反射のようにスッと笑顔を作ったことでした。

 「ああ、どうも。グリーンダカラちゃんも。…どうしてここへ?」

笑顔のまま、彼女は流れるようにしゃべります。

笑顔なのですが、どこか拒絶されているような雰囲気がしていました。

「いえ、あの…。心の中に、どんな人がいるのかなって思って会いに…」

しどろもどろにそう答えると、心なしかその笑顔が固くなったような気がします。

「…心配しなくても大丈夫ですよ。失敗しないように、私がちゃんとコントロールしていますから。とにかく今は、上司を信じて頑張れば大丈夫なので」

「あ、そう…ですか…」

むきになったように言われ、その頑なさに私は戸惑っていました。

疲れている様子なのに、その瞳だけは必死なのです。

そんな委員長を目の前にして、その姿には心当たりがありました。

近頃の、自分を見ているようだったのです。

「辛くても、信じなきゃ」「あの人の言うことに間違いはないから」「間違っているのもダメなのも、未熟な自分なんだから」

ああそうか…と、私も理解しました。

私はずっと、この「委員長」でいるのだと。

どこにいても、何をしていても、彼女が私をコントロールしています。

失敗をしたら、少しでも疑問を持ったら「委員長」が自分で自分を叱り、もっと努力をしなければいけない、頑張らなきゃいけないでしょうと声をかけるのです。

尊敬する上司の役に立つよう、足を引っ張らないよう、必死になっているのでした。

その時どこからか、突然なにかが壊れるような物音が聞こえてきました。

とたんに委員長の顔から笑顔が消え、元々よくなかった顔色がさらに青ざめたように見えました。

音は、委員長の隣の部屋から聞こえてきます。

水色の扉の隣は、檸檬色の扉。その向こう側です。

なにごとかと思いそっちを見ていると、委員長は慌てたように言いました。

「とにかく、私に任せてください。大丈夫なので!」

委員長に背中を押されるようにして、私はその場から遠ざけられました。

何か言う前に、入口の方にぐいぐい押し戻されてしまいます。

…いや待って待って、なにかヤバイものがいるんじゃないの?

どう考えても、檸檬色の扉の向こうがあやしいのです。

私がいぶかしんでいるのに委員長も気づいて、彼女はまたあの笑顔を作りました。

「ご心配なく。私がどうにかしますので」

こんな具合に、委員長はとにかく頑なでした。

そしてそのまま、急いで自分の水色の扉の中へ戻っていってしまいます。

私が入口のところまで追い返されてしまったのを、いつの間にかグリーンダカラちゃんが机を囲んでいる椅子のひとつに座りながら、足をぶらぶらさせたりしてニコニコ見ていました。

檸檬色の扉のおかげでだいぶ不安な気持ちになっていた私でしたが、その呑気で変わらない笑顔に、ホッとするやらちょっと笑えてしまうやら。

焦らないで大丈夫、と彼女に言われているように感じて、私はやっと「今日はもういいかな…」と思えたのです。

そしていつものように、グリーンダカラちゃんに見送られながら、イメージの時間を終わりにしたのでした。

 

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とは言っても…やっぱり強く引っかかるものが残っています。

私は今、ほとんどの時間を「委員長」で過ごしているということ。

そしてその委員長が、「檸檬色の扉」について何かを隠しているらしいということです。

 

委員長が前面に出ている時。

それは自分にとって「気を緩ませてはいけない」「失敗をしてはならない」「人に対して注意深くいなくてはならない」時なのだと思われました。

勝手に、自我を殺して殺して、抑えて抑えて、と心に働きかけてしまうのです。

 

そして例の檸檬色の扉…。

その扉について考え始めた時、思い出したことがありました。

最初に受けた、テストの結果です。

無意識」の中にあるという「怒り・反発」。

もしかしたら、そこに隠されているのがそれなのではないかと、さすがの私もピンときました。

委員長が「私」に対して存在を必死に隠していて、だから「意識」できていない…とすると納得できなくもない話です。

 

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さて。このあたりから急にパズルのピースがはまっていくように、心の中の状況住人とのことが、リンクして考えられるようになってきます。

面白いもので、このイメージの世界って、ともすると自分の都合のいいように勝手に作れちゃうんじゃないかと思いませんか?

設定だって、物語のシナリオを思い描くように、いくらでも後付けできてしまいそうです。

私も、最初はあまりにも分かりやすくできた世界なので「自分の思い通りに、都合のいいように考えてしまっているのではないか」と思ったものでした。

ところが、最初わけも分からず浮かんでいたことの理由が、後で「なるほど、そういうことだったのか!」と解釈と理解ができてしまう…という驚きの経験を積み重ねることになります。

 

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→ 次回は、とにかく私自身がひたすら考えたという話から。

  こうやって、やっと立ち止まって、きちんと自分の心の中を見つめるようになったわけですね…(しみじみ)

 

▲ Hiro / Iincho