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私の中に誰がいる?

自分を強くしてくれる、ちょっと不思議な心理学!『自己人格分析』研究のまとめブログ★

第05回 私が彼らに出会うまで④

 

 

 

 

前回のあらすじ。

「第一村人」ならぬ、「第一住人」のグリーンダカラちゃんを発見!笑

傷心の紺野を健気に癒すグリーンダカラちゃん!

そして紺野は彼女に導かれ、ついに他の扉に…!?(by リンさん)

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

何度か彼女の部屋に足を運んでいるうち、他の扉のことがとても気になりだした私でした。

だって、自分の心の中ですよ?

どんな人が住んでいるのかなんて、気になって当然ですよね。笑

するとある時、若草色の扉の部屋でのんびりしていた時に、グリーンダカラちゃんが唐突に立ち上がり、私の手を引っぱるのです。

彼女はいつもみたいになにも言わずに、しかし明確な意志を持って私を部屋の外へ連れ出しました。

そこは変わらず、真っ白で全体的につるっとした空間で、真ん中にはドーナツ型のテーブル、それを取り囲む椅子。

そして今出てきたばかりの若草色の扉を含めて、6色のパステルカラーの扉がやけに目立ちます。

もしかして他の住人にも会えるのかな…と、期待半分怖さ半分でした。

グリーンダカラちゃんは心配いらないよ、というようににっこり笑って、再び私の手を引きます。

連れていかれたのは、桃色の扉の前でした。

私が一番最初に近づいたものの、中で誰かが電話をしているらしかったのでノックすることをやめた、あの扉です。

今はとくになにも聞こえず、中の様子は分かりません。

戸惑ってしまい、思わずグリーンダカラちゃんを振り向くと、ニコニコしながらこっちを見ています。

言葉や仕草で促されているわけではないのですが、私はその様子だけでを覚悟を決めていました。

思いきってノックをします。

しばらく反応がなかったのですが、やがて「はぁい」という女性の声がしたかと思うと、ガチャッと扉が開きました。

固唾をのんで見つめる先に立っていたのは、20代後半くらいの長身なお姉さんでした。

黒ストレートのロングヘアで、お洒落な雰囲気の女性です。

そう。彼女が、私が後にリンさんと名付けたその人です。

桃色の扉の住人は、彼女だったのでした。

私が彼女を見つめたまま固まっている間に、リンさんは私を怪訝そうに見て、その傍らにいるグリーンダカラちゃんに気がつきました。

「きゃー! 嘘っ、ダカラちゃんだ! 久しぶり!」

いきなり叫んだかと思うと、かがんでグリーンダカラちゃんをぎゅっと抱きしめています。

「元気そう、良かったぁ! みんながどうしてるのか分からなくて、心配してたの!」

相変わらずニコニコ嬉しそうにしているだけのグリーンダカラちゃんですが、リンさんもお構いなしに喋り続けています。

そしてまたふと私の方を見て、ハッとしたように言いました。

「あ、そっか! なるほどね! ダカラちゃん、でかした~」

ほめるようにグリグリと彼女の頭を撫でてから、リンさんは今度こそしっかりと私の顔を見つめます。

「ごめんね、私が出られたら良いんだけど…。今はまだ、無理みたい」

申し訳なさそうに眉を下げて、そう言うのでした。

私も、その時ふと気がついたのです。

このやたら明るい人も、私の一部なのかもしれない、と。

だけど、今の状況では、外に出てこられないのだと。

不思議なことに、そう考えるとすんなり納得できます。

ふと彼女の肩越しに見えた部屋は、ごく普通の女の子の部屋といった雰囲気でした。

そこから思い描ける生活は、「自由」のひとこと。

友人と思う存分遊び、お洒落も楽しめば、雑誌やマンガ、お菓子なんかもありました。

彼女を縛るものなどなにもないように見えます。

彼女の存在そのものが、まるで、自由の象徴のようだと思いました。

だけど、私は今、その彼女を「外に出られなく」している…?

自分で!

私は急いで、グリーンダカラちゃんを見下ろしました。

彼女はすべてを理解しているかのように、笑っています。

「大丈夫。まずは知るところからだから」

リンさんは諭すように言いました。

「私もみんなも、ずっとここにいるんだもの。必ず力になる時が来るから。いつかまた、ね」

力強く頷いて彼女はそう言い残し、ニッと笑うと扉を閉めて、目の前から姿を消しました。

 

…衝撃的すぎて、しばらく立ち尽くしていたような気がします。

リンさんの言葉を思い出すと、泣きたい気持ちになりました。

なぜ、こんなに苦しい気持ちで毎日を過ごしているんだろう…。

自分が情けなく…ただただ、今の自分の生き方は彼女たちに申し訳がたたない、と思いました。

このくらいの時にはもう、何となく理解していたような気がします。

自分の中にいる「住人」イコール、自分の中に本来備わっていたり、これまでの人生で培ってきた要素、つまり個性そのものなのだと。

それを圧し殺して、なかったことにしているからこそ、精神的に辛くなっているに違いないのです。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

そもそもこんな内容を迂闊に人に話すと、あの子は現実逃避し過ぎてどうかしちゃったんじゃないか? なんて心配されかねません。笑

ここまで明確なイメージが浮かんだということは、もちろんその時私の心が相当追い詰められていたのもあるでしょうし、想像力が豊か過ぎるだけだと言われてしまえば、それもまぁ当たっているかもしれません。

現に私はものを書くことが大好きですから、趣味程度に小説を書いたりもしています。

そんなこんなで妄想の才能だけは、一丁前でしょうからね。笑

けれど私にとっては、生きる上で本当に大切な気づきを、他でもない彼ら「住人」が与えてくれたことこそ事実なのです。

奇抜な捉え方のように思えるかもしれませんが、自分の心の中を客観的に見つめるために、この方法は物凄く私の性質と合っていたということなのでしょう。

自分を見つめる方法にも様々なものがあるでしょうから、人によってはこの手段がまったくぴんと来ないことも、もしくは私のようにしっくり来すぎて急に視界が開けるようなこともあるかもしれませんね。

とにかく今の私の強いところは、この手法を「バカバカしい」と誰かに笑われてもまったく気にならないことかもしれません。笑

私自身が助けられたことがあったという事実と、これから生きる上でも道しるべになるだろうという確信を持っているので、たとえ他の人が同じようにこれを活用したいと思わなかったとしても気にならないのです。

それでも、自分ひとりの心の中で埋もれさせてしまうにはあまりにも惜しいと思っています。

これを読んでくださったあなたや、あなたの周りの方は、どうですか?

自分を正しく理解できず苦しんでいたり、もっと自分の個性を活かして生きてみたいのになぜか上手くいかない…と思い悩んでいる方はいませんか?

そんな時は、一瞬でも思い出してみてください。

「そういえば、こんな一見ふざけているだけのような方法で、本当に辛く苦しかった迷いの中から立ち直り、図太く楽しく毎日を送っている女がいたっけ」…と。笑

もし、どこかでこの方法が試され、それがその方の人生の救いになることがあったなら、本望です。

うなったとしたら、間接的に私の中の住人の存在が、私以外の人の役にも立ってくれたということ。

彼らも喜んでくれることでしょう。笑

 

ともあれ、「紺野の場合」の話はもう少し続きます。

リンさんと出会ったというところで、切りがいいので次回に致しましょう!

 

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→ 次回、リンさんの次は…?

  紺野は誰の存在に気づくのでしょうか。

 

▲ Hiro / Rin