読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

私の中に誰がいる?

自分を強くしてくれる、ちょっと不思議な心理学!『自己人格分析』研究のまとめブログ★

第18回 地下の謎③

 

 

 

前回のあらすじ。

 

まーくん。

それが、地下にいた男の子の名前。

彼の正体は、謎の多かったあの住人

なぜ、彼はふたつの姿になってしまっているのか…。

(by リンさん)

 

「あーハイハイ、あん時のことはよく覚えてるよ」 

「そりゃそうでしょ! まず地下に居たのが男の子って時点であれっ、てなってたのよ? それがどうよ! えっ、もしかしてあんたまもるくん!? ってなるじゃない!(゚ロ゚;三;゚ロ゚)」

「すこし落ち着けよ。笑」

「まぁ、お風呂でハッとして紺野がまず何をしたかといえば、速攻お風呂から上がってメモという名の脳内整理ですよね。笑

「そう! そしてすかさず臨床心理士の先生に長々と報告メールね!」

「忙しいやつだな…(ー ー:)」

「この記事も、その時にメモした内容を他の方にも分かりやすいようにちょっと変えてるくらいですからね」

「興奮もするわよ! 私たちにとっては、世紀の大発見だもの!」

リ・委「ねーっ!(*・ω・*)(`・ω・´) パーン★」

(早く始めてくんねーかな…(;´・ω・`)=3)

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

まもるくん

そして、まーくん

ふたりは元々、ひとりの住人でした。

 

まもるくんはそもそも、周囲に振り回されることなく、無心になってなにかしなければならない時に表面に現れる、と以前お話ししました。

最初は感情のスイッチを切る役目のために、表に出ざるを得なかったわけです。

しかし、自分の中身をきちんと見つめるようになって、新たに感じ取れたことがひとつ。

家で料理を作っていた時に、ふと思ったのです。

なぜかいつも、穏やかな気持ちで黙々と作業をしている気がする、と。

テレビも、ひとりで料理をしていると、あまりつけたくないんです。

その無心で静かになれる部分で、まもるくんの気配のようなものを感じました。

彼が表に出てくる瞬間が、辛いときのスイッチオフとしてばかりではないと気づいて、ほんの少しだけ安心…。

そんな微かな気配をヒントに、紺野の中にある家族・家・生活などに対する理想の姿が、まもるくんまーくんから来ているものなのではないかと思ったのです。

 

ただし、まもるくんの問題点は、自意識欲求が感じられないことです。

言葉にして一番しっくりくるのは、彼は「期待をしていない」ということ。

そもそも、求めることをやめてしまっている、という気がするのです。

彼の部屋に、ラジカセ以外なにも物がないことだったり、着ている服も、特徴も飾り気もない白の上下だったり…。

まもるくんは、なんらかの理由で、理想を追い求めることを諦めているのではないかと思えてなりません。

ありとあらゆる願望要求放棄している、究極の姿だと感じました。

でも、まもるくんの担うそれも、私の中に要素の一部として存在しているということなの…?

今まであまり意識してこなかったことに、急にスポットライトを当てられてしまった気分です。

それでも、思い当たる節がまったく無いわけではありませんでした。

 

思い返せば、私は昔から「期待して裏切られること」に対して過度に敏感で怖がりなところがありましたから。

何をきっかけにそうなったのか、一番最初はよく分からないのですが、覚えている中だけでも、何度か気持ちを上げて落とされるような経験をしたことはありました。

こうなるに違いない! と素直に期待していたところに、そうならなくて落胆するというパターンが、私にとっては一番心にこたえます。

しかもそうなってしまうと、なぜか期待していた自分の方が恥ずかしくていたたまれなく思えるんです。

無理やりに例えると、そこにあると思って座ろうとしていた椅子が、急になくなって格好悪く転んでしまった時のような、痛くて恥ずかしいような感じでしょうか。

自分が深く考えずに椅子に座ろうとしていたことがいけなかったのだと、痛むお尻をさすりながら反省するしかありません。

次は椅子に座ること自体に、臆病になります。

まずは自分が勝手な期待をしないように努めて、もし何かが自分の希望することと違う形になっても「はなから期待してなかったから平気、全然大丈夫」と言えるように、いつも備えていました。

「こんなことがあって、これだけ傷つきました」というような人の同情を求めてするような話題も、私の場合自分から人になかなかできませんでしたし、なぜかしたくないと思ってしまいます。

(人のを聞くのは全然平気ですし、むしろ飾らずに頼ってもらえると嬉しいくらいなのですが…。自分からはなかなかそれができないッ!笑)

そもそも、人に寄りかかるのが苦手な部分と繋がっているのかもしれません。

だからこそ、「傷ついた」状態に陥らないように、最大限に予防線を張り、自分は大丈夫、平気だと言い聞かせるがついてしまっていたのでしょう。

 

確かに私は、気持ちの切り替えや立ち直りが、異様に早いようなところがあります。

(早すぎるのも良くないのでしょうけど。笑)

嫌なことをあまり引きずらないのは楽なのですが、たぶんそれはリンさん能天気さとともに、まもるくんの働きもあるのでしょう。

彼が私の中にある「期待」を軽くすることで、ひとつのことに心を捕らわれ、振り回されることがない状態にいるのかも…。

その事に気づかされて、私はハッとしました。

彼の取った手法についても、その時やっと理解ができたのです。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

自分の心になるべくダメージがないよう、期待をしないようにすることを覚えたまもるくん

しかし、そこから後が、本当に重要な部分と言えるかもしれません。

まもるくんは「期待」を完全に捨ててしまうのではなく、恐らく自分から切り離すことにしたのです。

それこそが、地下にいる「まーくん」の姿。

まもるくんまーくんも、二人はお互いに合意の上で、自らの意志で地下へその気持ちを押し込めることに決めたのでしょう。

だから不満ひとつこぼさずに、まーくんは大人しくひとり地下に閉じこもり、まもるくん望むことをやめてひたすら傷を負わない努力を続けているのです。

願ったことが叶いそうな状況叶いそうな時期が来るまで、願望そのものを隠しておくという措置を、無意識に選んでいたのでしょうか。

だからつまり、「まーくん」は「まもるくん」の「希望・期待」そのものなんですね。

ふたりとも、いつか自分が「期待」をしても大丈夫な状況がやってくるかもしれないという、望みをかけている。

…そう考えると、住人の「」であるところの私は、一日でも早くふたりを同じ場所へ戻してあげなければと誓うばかりです。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

それを踏まえた上で、最終目標は一体なんだろう?  という部分が問題です。

あくまでも予想の範囲でしかないのですが、取りあえず無い知恵をしぼって、自分に必要な手順を考えてみました。

------------------------------------------------------------

①紺野自身が、まーくんに受け入れてもらえる条件を整える。

(第15回で発見した、彼に直接会えるまでの2つの条件がありました。あれですね)

②まーくんの期待を正しく理解し、それに近づける努力をする。

(一見すると表には出ていない、若しくは今は難しいと閉じ込めている期待を、諦めずに目指し続ける)

③まーくんの孤独感がなくなり、表に出てこられるようになる。

(まーくんがまもるくんと同一化するか、同じ部屋にいられるようになる)

⑤まもるくんも、他の住人のように生き生きと心の中で生きていけるようになる。

(その頃には、まもるくん自身が自らの望みや期待を口にしたりしているのでしょうか?)

------------------------------------------------------------

 

……はい。

当然のことながら、超長期戦なんです、私の課題は…。笑

まぁ誰にでもこんな風に、自らの中に、人生をかけて取り組んでいく課題があるものなのでしょうね。

まずは、それに気づくだけでも「一仕事」という感じです。

ですが、やっぱり私にとっては、この自己分析のおかげで、やっとこのスタートラインに立てた気がします。

 

今回書いてきている「まもるくん」に関するひらめきは、いわゆる「自我状態療法」をカウンセリングの時のように正しい手順で行って得られたわけではない、というのが不思議なところ。

最初に書いた通り、あくまでもぼーっと彼らのことを考えていて思いついたことにすぎません。(お風呂で。笑)

けれど、あながち間違ってもいないような気がしている……というよりも、確信に近いものが私の中にあるのです。

私としては、今回の気づきはものすごく衝撃的なことでした。

なにしろ、すべてイメージの世界です。

机上の空論もいいところですよね。

私の中でも、自分に都合の良いように心の中の住人たちそのものや、その言動を無意識に計算して操ってしまっていることはないのかという心配は、これまで多少はありました。

ですが、今回の気づきはそれを越えたところにあるような気がしてならなかったのです。

自分自身の驚きがまず強すぎて、自分が心のどこかで計算して作り上げた設定だとは、到底思えません。

本当に、心の中というのは見えないくせにどれだけ無限大なんだろうかと、心底面白く思うわけです。

まだまだ、自分の心のことで知るべきことは山ほどあるのでしょう。

一歩一歩を大切に進んでいきたいと、そう願うばかりです。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

→ 次回、紺野の素朴な疑問!

  理想の住人を生み出せるか?

 

 

▲ Hiro / Rin

 

第17回 地下の謎②

 

 

 

 

 

前回のあらすじ。

 

それぞれの住人にあるという、「生まれてきた理由」。

人は置かれた環境に適応するために、自分の人格の幅を広げていく。

たとえば「リンさん」の生まれ方は、紺野が自分のコミュニケーションのあり方について学んだ結果!

それなら、地下のあの子は一体なぜ…?

(by リンさん)

 

「前回まさかの、私の話!? やー…なんか恥ずかしいね!(*´・∀・)」

「いやいや。だって、我々の中でも突出して分かりやすいんですよ、時期とかも分かってますし。何より写真という裏付けもあるので」

「ありゃあ笑えるよ、突然隙のない笑顔覚えてんだもんな。その前とのギャップがうけるから、比較で写真並べて飾ろうぜ!(*`∀´*)

「やめてよもー!(>へ<)

「さて、と。この後ですね、衝撃的な考察が降ってきたのは」

「おっ? ついにか?」

「はい! ちょっと回り道しましたけど、地下の謎の続編です!(。-`ω-)」

「私の話は回り道かいっ!笑」

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

未だに会えない、小さな男の子

自覚」や「意識」の力ってすごいですよね。

彼の存在に気づいてから、また辻褄のドミノがパタパタ倒れていく瞬間がやって来たのです。

 

ある日、お風呂に入ってのんびりしている時のことでした。

 六人の住人たちのことや、地下の子についてぼーっと考えていたんです。

前回の発見で、地下の男の子を入れると私の中にいる住人は、七人になりました。

当然のことながら、住人のであるところの紺野自身も、いつかはその子をそこから出してあげたいと思っています。

間違ってもそんな暗くて閉鎖的で淋しい場所を、その子の居場所にしたくありません。

そうなると、いずれ、ひとつ疑問が生じてくることになります。

もし、この先彼が地下から出ることが出来たら、どこに落ち着くのだろうか、という部分。

(地下は除いて)広間にある扉と部屋は六つですから、七人になった場合は一人一部屋とはいかなくなります。

グリーンダカラちゃんの部屋で一緒に…? とも思ったのですが、それぞれの部屋が住人の特色にあった状態になっているので、後から入ればどうしても居候感は出てしまいそう。

少年の存在に気づいたその後も、部屋の数は六つ…。

特に変化のないままでした。

自分で意識して、いずれ七つの部屋に建て増し(笑)することになるのかな…?  とふんわりした予想はしていましたが、正直なところまだよく分かりません。

 

それにしても、地下にいるという少年は、いったいどんな子なのでしょうか?

謎が多過ぎて、名前すらつけてあげられていません。

思い浮かべるその子の姿は、ひとりぼっちでいることを受け入れているようでいて、やっぱり淋しそうに見えます。

当然だろうと思います。

何もない、暗い空間にひとりでいるなんて。

グリーンダカラちゃんからもらったイメージを、ふと思い返してみます。

たしか外見は…黒髪で、なんか素朴な雰囲気だった気がする……。

と、そこまで考えた時、私はあれ? と首をかしげたくなりました。

なんだかどことなく…まもるくんに似ていると、そう感じたのです。

………‼ (゚〇゚ ;)

ひらめいてしまいました。

まさか、その男の子はまもるくん幼少期(?)の姿なのではないかと!

ああ、だから「6つの扉」なのか!

点と点が、線で結ばれていきます。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

実はこの心理学の話を、私はだいぶ前から何かしらの形で他の人にも共有できないものかと考えていました。

けれど、この時点では今のこのブログのように「紺野自身」の体験談としてではなく、小説の中に織りまぜて、まずは物語として題材を扱ってみようかと、そんな風に思っていたんです。

なにしろ、端から聞けばぶっ飛んだ内容(笑)なので説明が非常に難しいというのと、私自身も心理学に関して素人なので、研究なんていうのは本来ちょっとおこがましいかなと。

このような内容なら、創作から入ってもらった方が、すんなり理解に結びつけられるかなと思いました。

そして、その物語のタイトルは、私の中でずっと『6つの扉』だったんです。(今後、書くかもしれませんよ?笑)

だから、地下の子の存在を知ってから、一度考え直さざるを得ませんでした。

7つの扉』に改題するべきなのかな? でも、そうすると結構なネタバレだな…なんて密かに悩んだりもしましたっけ。笑

……が、それは取り越し苦労に終わりました。

おそらく、私の部屋は当初のイメージから変わらず、六つで間違いないのです。

少年まもるくんは、同一人物

七つ目の部屋も扉も、はなから必要ないということなのでしょう。

つまり、「まもるくん」という存在が二つに分かれてしまっていて、地下の小さな男の子が帰るべき場所は、菫色の扉の向こうなのだとしたら…!

 

一度ピンときたら、もう、なにもかもが腑に落ちてしまいました。

たしかに、他の住人と比べても、まもるくんはずいぶん存在感が稀薄です。

それに、人生をだいぶ自分の自由に生きられるようになってきた今、他の住人たちは一人一人がもっと生き生きしはじめているというのに、まもるくんだけはそうでもない気がします。

部屋に、ラジカセ以外のものが一切無いことも気になっていました。

明らかに自分の「意思」がなく、幸が薄いのです。

彼の役割性格のせいかなと、単純に思ってしまっていましたが、きっとそれだけではないのでしょう。

 

それに、その頃よく考えていたことがありました。

家庭」という中での温かさ思いやり、日々を丁寧に生きるということについてです。

たとえば人のために心を込めて料理を作るとか、疲れている人を癒してあげたいと思う気持ちとか。

日常の中で持ち続けたい思いやりの部分に対する理想像を、頻繁に思い描くようになっていたような気がします。

私の中には確実に、理想の家の姿や、家族のありかた生活の形があるのです。

それは恐らくこれまで感じてきたことや、見聞きしたことが積み重なって、一つの「理想」として根付いたのかもしれません。

ところが不思議と、それについては別に、住人の誰かが口にしているわけでもありませんでした。

口にしないというなら、グリーンダカラちゃん? となりそうなところですが…。

彼女の興味や愛情は、家庭の部分よりも、自然心の内側へ向いて伸びているので、またちょっと違う気がします。

それなら、その理想を誰が思い描き求めているかというと、おそらくまもるくんなんです。

言葉で語られる世界じゃなく、ただ求めているイメージのようなものだけがあり、それが少しずつ私の中で強くなっていくような気がしていました。

そんな感覚を思い出しつつ、冷静に考えてみます。

 

……と、いうことは。

その期待を抱えているのは「まもるくん地下の子」なのではないでしょうか?

この発見後すぐさま、地下の子の呼び名は「まーくん」になりました。笑

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

→ 次回、まもるくんまーくんの関係は一体…?

  なぜ、二人は分裂した姿で、別々の場所にいるのでしょうか。

 

 

▲ Hiro / Iincho

第16回 生まれてきた理由

 

 

 

 

 

 

 

前回のあらすじ。

 

地下にいたのは、小さな男の子

彼に直接会うためには…

①植物を上手に育てられるくらいの、観察力愛情深さを養う

②心から信頼できる人を見つけられるよう、人の本質を見抜く目を養う

これがないと、認めてもらえないみたい。

どっちも一朝一夕になんとかなるようなことじゃないけれど、とにかく気長に一歩ずつ!

(by リンさん)

 

「“●●がなければこの先は通さぬ…”みたいな感じで、なんかRPGのアイテム集めを彷彿とさせるよね。笑」

「ちょっとちょっと、そんな簡単なものじゃないんですよ? リンさんってば…(;^△^)」

「あーあ、よくあるようなゲームの世界はいいよなぁ。なんでもお膳立てされてて、先の予想も分かりやすいし、自分の実力に合った敵キャラが上手い具合に出て来てレベル上げてくれるだろ?

「まあねー。現実はそんな単純じゃないわよね(;´・ω・`)

「ふふ…。だから面白いんじゃないですか…」

「ハッ……Σ(・д・;」

「ここにいる住人全員の要素を駆使して、いかにひとりの人生を充実させるか…。影からコントロールするわけですよ、腕が鳴りません?(w゚∀゚w)」

「……う、うん」

(こいつ、時々思い出したように腹黒キャラになるよな。俺なんて可愛いもんじゃね?笑)

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

地下にいたのは、小さな男の子

モンスター系の住人ではないようでしたから、ひとまずホッとしました。

それにしても、不思議な子です。

現時点ではただひとり、グリーンダカラちゃんだけが彼に接触できているようなのですが…。

彼女から伝えてもらったイメージだけで、具体的なことまで察するのは難しいものでした。

グリーンダカラちゃん委員長の協力もあり、私がこれからすべきことや、目指すべきものはおおよそ分かったのですが、まだまだ謎は多く残っています。

なぜ、彼は生まれてきたのか。

なぜあんな場所に、ひとりきりで閉じこもっているのか。

それについては、まったく分からずじまいでした。

でも、他の住人とも会おうとすらせず、暗い地下にひとりで過ごしているのだとしたら。

そう考えると、このままではいけないのだろうということだけは分かります。

いつかきっと、きちんと「私自身が」彼の存在を見つけてあげられたら…と、その気持ちだけが強く残りました。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 


そういえば、まだ、あまりお話ししていなかったかもしれません。

先程、あの男の子が「なぜ生まれてきたのか」…と書きました。

というのも、住人にはそれぞれに、生まれた「きっかけ」というものがあります。

どの住人も、その人にとって必要だから作り上げられるわけですから、大なり小なり誕生の引き金となった出来事があるはずなのです。

そのきっかけというのは、その住人がどんな役割として存在しているかにも、密接に関わってくる部分です。

しかしほとんどの場合は、どの瞬間にどんな人格が自分の中に生まれたかなど、はっきりしないことが多いものでしょう。

私の場合も、もちろんそうです。

せいぜい、ひとりひとりの特徴を見ながら、「多分こういった理由で、こういう役割を担うために存在してくれているのだろうな」、という予想を立てるのがいいところ。

それでも、比較的分かりやすいのはリンさんの誕生秘話(笑)なので、ひとつ具体例として挙げておきましょう。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

彼女は、私が小学校高学年くらいの頃に生まれたのではないかと自覚しています。

リンさんが生まれる前の私は、どちらかというと周囲に期待されていたように「真面目な良い子」でいようとはしていましたが、今のような「明るく能天気」な人間ではありませんでした。

彼女の要素は、小学校高学年頃になるまで、おそらく私の中に存在していなかったのでしょう。

なぜ彼女のようなキャラクターが自分に必要だと思ったか?

その答えは、その時期に仲良くなった学校の友人たちの影響だと思われます。

高学年になってから同じクラスになり仲良くなった子たちは、輪が広くいつでも元気いっぱい無邪気な性格でした。

彼女たちと近しくなり、そのスタンスや漠然とした役割のようなもの、そして周囲との接し方に、私は子ども心に憧れと尊敬の感情を抱いていました。

コミュニケーションの大切な要素として、ユーモア明るさが必要だということや、その時点で自分が真面目さという方向ばかりに目を向けていたことも教わったのです。

真面目で良い子なだけじゃ、ダメなんだ! …と。

そして笑顔明るさが相手との距離を縮め、さらには自分を守る助けになることも知って、手放せなくなったのです。

人を巻き込んで、明るい気持ち笑顔にさせることの面白さも、私はその頃学びました。

そして生まれたリンさんという住人は、その後も様々な出来事出会いとともに心の中で育ち、現在のような人格になったのです。

 

余談ですが、このリンさんのエピソードには、ひとつ面白い裏付けがあるんです。

それは、私の幼少期(特に幼稚園くらい)の写真を見ると分かります。(さすがに、ここでお見せするわけにはいかないのですが…笑)

実は、なにをしている時の写真を見ても、ほぼ無表情なんです。

どれもこれもあまりにも真顔なので、何を考えているのか自分でもさっぱりわかりません!笑

それが、小学校のある頃から、どの写真も同じ顔じゃないか! と思わず突っ込みたくなるくらいに、満面の笑顔が定着しています。

以前はその変化の理由なんて、考えてもみませんでした。

でも、この分析をするようになって改めて考えてみると、ああ! なるほど、だからなのね! と合点がいきます。

つまり、子どもなりに小社会を生き抜く上で、思ったのでしょう。

明るさ、笑顔、緩さ…といった「リンさん」という要素が、自分にも必要なんだ、と。

そうやって彼女が生まれ、自分の人格の一部として根付いたのだろうということ…。

私の場合は写真が、その片鱗を教えてくれているわけです。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

何はともあれ、私のリンさんの例は分かりやすいので、あえてご紹介をしてみました。

まあ正直なところ、それぞれの誕生がいつ頃だったかなどは、そこまで気にしなくて良いと思います。

それよりも重要なポイントは、「理由」。

自覚の有り無しに関係なく、それぞれが理由を持って生まれてくるというのは間違いない…、というのが私の考えです。

その理由とは、何らかの状況において自分という人格を「適応」させるため。

社会集団人との関わり、そして置かれた状況が、人を作ります。

――つまり、ここでの「住人」という内在する個性を作り上げるのです。

 

それなら、あの男の子が生まれた理由は、なんなのでしょう。

地下にいるのですから、当然のことながら、私のひとつの人格としてに出てくることもありません。

かといって、他の内政担当の住人のように、内側で誰かと関わることを目的としているわけでもなさそうです。

なんのために、あんな風にひとりでいるのか…。

それは自らが選んだことなのか、それとも誰かに言われてそうしているのか…。

 

そして、気づきは唐突にやって来ました。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

→ 次回、地下の謎②!

  地下の男の子について、紺野が知ったこととは?

 

 

▲ Hiro / Iincho

 

第15回 地下の謎①

 

 

 

前回のあらすじ。

 

まもるくんが守ってくれていた砦。

このまま彼ばかりに抱えさせるのは良くないと気づく紺野だけど、どうすれば?

そして一方では、地下の部屋の謎が浮上!

その真相を知るために、再び住人に会いに行くと…?

(by リンさん)

 

「うわー…いよいよだねぇ…(о´ω`о)」

「まもるの秘密ねぇ…。あいつ喋んないからよく分かんないんだよなー、何考えてるのか」

「やかましくて直情的なあなたと足して2で割れば、ちょうどいいかもしれませんね」

「お前は…まーた俺に文句かよ! 俺の役割なの、これが!(#`皿´)

「まぁまぁ…。委員長は最近真顔で冗談が言えるようになったのよ☆」

「…リンさんはすこし黙っててください」

「えっ!Σ(・д・;」

「…文句? 聞き捨てならないですね」

「委員長まで…。ヒロさん助けてー、この子らすぐケンカしだすぅ(o;ω;o)」

「馬鹿にしないでください! 私だって…あなたの役割も存在価値も、とっくに知ってますし!(*`□´*)」

「……!?」

「あ…… (;゚д゚)」

(あちゃー!(;・∀・) こりゃーハズカシイ!)

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

深く潜り込むような感覚で内側に降り立つと、いつもの広間には委員長グリーンダカラちゃんの姿が。

二人はそれぞれ、ドーナツ型テーブルに添えられた隣り合わせた椅子に座って、話をするでもなく思い思いの時間を過ごしていました。

委員長は読書を、グリーンダカラちゃんは小さな鉢植えをいくつも机の上にならべて動かしたり眺めたりしています。

二人への挨拶もそこそこに、さっそく本題へ…。

私は委員長に向かって訊ねました。

「あの地下のことって、なにか知ってる?」

そこに何があるのか、知りたいのだと伝えます。

委員長は以前と同じように、「私もよくは知らないんです」と答えました。

しかし、グリーンダカラちゃんのことをチラリと見て、「彼女は、地下に行ったことがあるようですよ」と驚くべきことを言ったのです。

まさかの答えに、私はグリーンダカラちゃんを振り向きました。

さすが、私の心の万能お助け天使

彼女にコミュニケーションの壁はないのだろうか、と絶句です。

けれど、その後ふと気づいてしまいました。

グリーンダカラちゃん、喋らないじゃん…。

これは大きな問題です。

いくら知っていても、私にそれを伝えてくれなければどうにもなりません。

彼女からその謎を解く鍵を貰うことは、難しいのでは…? と思われました。

その時です。

私の頭の中に、ふと、あるイメージが広がりました。

薄暗い部屋の中に、グリーンダカラちゃんと、それからもうひとり

彼女とさして変わらない、小さなシルエットでした。

二つのシルエットは何をするでもなく、ただ黙って手を繋いでいるのです。

そこにいる人物こそ、紛れもなく、地下の「住人」なのでしょう。

その時、なぜかは分からないのですが、直感のようなものが私に、グリーンダカラちゃんと一緒にそこにいるのは「男の子」だと伝えてきました。

男の子…?

予想外の情報に、少なからず戸惑います。

実はその頃に試した心理テストで、内心では人に頼ったり甘えたりしたいという気持ちを、怒りなどと同じように表に出ないようしまいこんでいる、という数値も出ていたのです。

(こういったものが数値で割り出されるって、すごいことですよね…笑)

それもあって、私が前もって「地下キャラ」としてある程度目星をつけていたのは、「甘えたい」という欲求を持った個性の子でした。

てっきり、性別は女性を想像していましたし、甘えたいっていうなら「ちょっとワガママな女の子」とかなんじゃないかと、勝手に考えていました。

イメージの中のその子は、グリーンダカラちゃんと背格好があまり変わらない、黒髪で地味な顔立ちの幼い少年です。

甘えたいっていう気持ちの持ち主は、君なの?

イメージの中のその子に向かって問いかけてみるものの、もちろん反応はありませんでした。

ただ、なんとなく理解はできます。

あの子は、自分が認めた人だけを、自分のところに通してくれるのではないか…と。

今は切れている、地下への縄ばしご。

許しを得られたその時は、少年が下からはしごをかけてくれるようなのです。

彼の近くに、立て掛けて使えるタイプのはしごがチラリと見えました。

グリーンダカラちゃんって、いつの間にその子にも認められていて、地下にも行き来できちゃうの?

私は信じられない気持ちで、今は隣にいる彼女の澄んだ瞳をまじまじと見つめてしまいました。

すごすぎる…。この子はどこへでも行けちゃうのね。

「どうしたら、私もその子に会えるんだろう…。私、その子に会いたいの。彼は、どうしてそんな暗いところにひとりでいるの?」

気づけば、私は二人に向かって、そう訊ねていました。

なにか知っているなら教えてほしいと。

すると、グリーンダカラちゃんは、机の上に置いてあったいくつかの鉢植えの中からひとつを取り上げると、私に向かってスッと差し出します。

同時に私の脳裏に、グリーンダカラちゃんが少年へと鉢植えを手渡しているところが浮かびました。

彼女はどうやら、小さな鉢植えを育てては、ひとりぼっちで地下にいるその子にプレゼントをしているらしいのです。

少年の周りには、すでにいくつかの鉢植えが点々と置かれていました。

どれもこれも、グリーンダカラちゃんからの贈り物なのでしょう。

ああ、そうか…と、私は理解しました。

これを大切に育てて、いつか彼に会うため地下に行く時が来たら、その子に渡すように、と彼女は言いたいのだと。

 


物言わぬ「植物」を育てることって、決して簡単ではないのです。

緑が好きで部屋のあちこちに観葉植物を置いている私ですが、何度も鉢植えを枯らしてしまったり、花を長生きさせてあげられなかったりと今もよく失敗します。

大抵植物が元気をなくしてしまうのは、自分の生活にも余裕がなくなっている時です。

それに、植物はたとえ水が欲しくても、太陽の光をあびたくても、それを口に出してはくれません。

こちらが、しっかりと様子を観察して、彼らがなにを望んでいるのか感じ取らなくてはいけないのです。

ですが、それって、なにも植物に限ったことではありませんよね?

人間相手だって、下手に言葉を操る生き物だからこそ、上辺のものに誤魔化されて本心が見えづらくなってしまうこともあります。

それでも、表情眼差し仕草ひとつからも、心の様子を感じとらずには、踏み込んだコミュニケーションはできません。

大切にするべきなのは、相手を愛情を持って見つめることと、思いやり

そして、心を感じとる力なのです。

たしかに、植物の気持ちが分かって、上手に育ててあげられるくらいになれば、観察力について怖いものはそうそうないように思えます。

そのための練習をするようにと、グリーンダカラちゃんは言いたいのではないでしょうか。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

「もうひとつですね」

唐突に、委員長が口を開き、私の思考に割って入りました。

私の心の中なんだから、思考は筒抜けってことか…と思いながら、言われた「もうひとつ」について考えます。

「あなたが頼れて、甘えられると思える先を、見つけないと」

「あぁ…。うん、なるほど」

納得です。

いつの間にか、親兄弟相手でも、素直に感情を出すことをしなくなってしまっていましたから。

しかも友人に対して、ある程度よりも親しくなると、私の外交担当はリンさんアニキかという選択肢になります。

二人とも、「人に甘える」というタイプではないですよね。

どちらも、ちょっと男前な性格ですし…笑

甘えても大丈夫だと思えて、甘えることを許してくれる先は、たしかに必要です。

「それには、とにかく人をよく見ることですね」

委員長は生真面目な調子で続けました。

人を見る

それはどういうことなのだろうかと、私はさらに考えます。

「あなたの書こうとしている小説に、人を見抜くのが上手い子がいるでしょう」

委員長の言ったことには、もちろん心当たりがありました。

私の脳内に数ある物語ストックの中に、たしかにそういう特徴のあるキャラクターがいます。

見た目や言葉などの上辺じゃなくて、人の本質を見るのに長けた子です。

「●●●のこと?」

私が迷わず名前を口に出すと、委員長は頷きました。

「あんな感じで、外見ではなく本質を見抜く目を養え、ということなのでは?」

な、なるほど…。

たしかにごもっともな話。

信頼して寄りかかることのできる先がなければ、そもそも上手く人に甘えられない性質である私には、「頼りたい・甘えたい」欲求を満たすことは困難でしょう。

自分ももっと愛情深くなって、また、頼るなら愛情深い人物を見つけなくてはならない。

…それが、今の私に課せられた、その地下の子からの重要な課題のような気がしました。

いつかその子に直接会うために、少しずつでもいいから、丁寧に毎日を生きようと。

そう、思いました。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

→ 次回、住人の生まれてきた理由とは…?

  不思議な地下の男の子。

  彼はなぜ、そこにひとりきりで閉じこもっているのでしょうか。

 

 

▲ hiro / Iincho

第14回 まもるくんの話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前回のあらすじ。

 

ヒロさんは、内政の核

今の紺野の生活は、ヒロさんの担う「好きなもの」でいっぱい!(by リンさん)

 

「あのさぁ…。前回の記事なんだけど」

「どしたの?」

「あれ…なんか俺、すごいはしゃいでる風に書かれてないか」

「え? うん。だってはしゃいでたもん」

「……(; -`ω-)」

(気にしてんなぁ…笑。あ、委員長だ

「あっ、お前ぇぇ!Σ(・д´・

「? …どうかしました?」

「なんでっ…オッサンの回なのにっ…俺が恥ずかしい感じで出てくるんだよっ…! 書いたのほぼお前だろ!(小声)

「はぁ。まあ、書きました。ヒロさん自分のこと書きたがらないし」

「いらんこと書くなっつってんの!(×`□´×)」

「いらんことじゃないですよ。そういう親しみやすい(可愛い)キャラだって知ってもらわないと。いいんですか? ずーっと問題児キャラのままで」

「…別に…親しみやすくても嬉しくねーし(。-_´-。#)」

(大人しくなったー!(;・∀・) 委員長やっぱりつえぇ…笑)

(やれやれ、扱いやすいったらないですね…( ´ v ` )=3)

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

お待たせしました。

それでは、意を決してまもるくんの話をしましょう。

私にとってはコアな部分の話なので、書き上げるのに時間を要してしまいました…。

 

彼の存在を初めて認識したのは、以前にも少し書きましたが「何かにじっと耐えている時」でした。

心を空にして、耐えなければならない瞬間。

どこにもやり場のない感情が、すべて自分の中にしまい込まれていました。

それが、当時は本当に多かったです。

…多かったというよりも、もはやそれに疑問を抱く隙もなく、イコールで結ばれてしまった私の日常だったと言えるかもしれません。

いちいち傷ついていたり、悲しんでいたら、とても心が持ちませんでした。

なんとか感情自我の部分を消し去ることで、その時はそれを乗り越えていたのだと思います。

そしてそんな荒業ができてしまうのは、私の住人中で「まもるくん」ただ一人。

それ故に、いつの間にか物言わぬ彼の「役割」のようになってしまっていたのです。

彼は本来内政寄りの住人なのですが、出ざるを得ない状況下においては自ら防波堤の役割をしてくれていました。

まもるくんが出てきていると、なにも考えずに目の前のことをこなすことができるので、感情に打ちのめされることもありません。

それで、私自身はなんとかダメージに耐えることができたわけです。

そして現状に疑問を抱くことをよしとしなかった委員長も、頑なにこれが正しいのだ苦しいのは自分に力がなく弱いからだと盲信していました。

自分一人では、抜け出すことのできないところに、追いつめられていた状態でした。

ただし、私の場合はありがたいことに、気付きのきっかけをいただくことができたのです。

そして繋がったのが、心理学を使って自分を見つめ直すこの作業。

住人を知り、自己分析を繰り返すうちに、やっぱりまもるくんの背負っているものが委員長とはまた別の意味で重たすぎる…と思うようになっていました。

というのも、委員長が疲れ果ててあまり表に出てこられなくなってしまってからは、彼の存在が私のただひとつのだったからです。

その心の働きを「まもるくん」として切り出して考えるようになってから、私は急にその不健全さを自覚したのです。

彼一人に、そんな役目ばかり背負わせていいの…? という思いが溢れました。

恐らく、住人として自分の心を見ていなければ、なかなか気づくことができなかったでしょう。

自分という人間の中のすべてを冷静に見つめるのは、それくらい難しいことなのです。

すぐに答えが見つかるわけもなく、まもるくんに対する想いはありながらも、しばらくは彼の存在に甘えるばかりの日々でした。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

話は変わりますが、実はだいぶ初期の頃から気づいていたものの、あえてこれまで触れてこなかったことがあります。

初期というのは、私が心の部屋の存在を意識して間もない頃ですね。

私がイメージしている心の中の空間は、白くてつるっとした広間なのですが、その中央には真ん中が丸くくりぬかれているドーナツのような形のテーブルがあります。

実はそのテーブルの下に、「気になるもの」を見つけていたんです。

床にさりげなく存在していた、小さな扉のようなものを。

よくある床下収納のように、指を引っ掻けて持ち上げるための取手もあります。

まさか、またさらに地下が…?

ある時ふと見つけてしまい、たまたま近くにいた委員長に、これってなんの扉なの?と聞いてみるのですが、「分かりません」と困ったように言われました。

その時は恐々その地下への扉を開いてみたのですが、その下へ降りるためのものらしい縄ばしごが、入り口付近で切れているのが見えました。

その奥は深い闇です。

こうなると、そう簡単には降りられない場所なのだと想像がつきます。

いい加減「知らない」ことの怖さに気づきはじめていた頃でしたから、また未知の領域が出てきてしまったのかと不安も生まれてきました。

それもあって、私はその話を、早々に臨床心理士の先生に話してみていました。

アニキなんて可愛いもので、もっとモンスター的なキャラが、この下に隠されていたりしたらどうしよう…というような相談も。

自分が自覚していないだけで、そういうことも充分にあり得ることなのだと、アニキの件で思い知っていますからね。

隠し部屋のようなものがあるケースは、多かれ少なかれありますよ。その中に何があったか…というのは、本当に人それぞれです」

と、先生は教えてくださいました。

話によると、中には手に負えないレベルの問題児がいたり、傷つきやすい弱い立場の子がかくれていたり、逆になにもいなかった…なんてこともあるとのこと。

さぁ、自分の場合はどう来るか…? と内心ドキドキでした。

とはいえ、自分の心の中でのことですから、自分で探っていくより他に方法はありません。

ある日カウンセリングの際にその話になって、私は自我状態療法臨床心理士の先生にしていただき、再び心の中の彼らに会いに行ったのです…。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

→ 次回、地下の謎?

  その下には一体何があるのでしょうか…。

 

 

▲ Hiro / Iincho

 

第13回 住人の役割を考える④

 

 

 

 

前回のあらすじ。

 

アニキが「兄貴」たる所以。

内政」の役割だけだと思っていたアニキは、実は「外交」サイドでもあったのでした!

(by リンさん)

 

「な? ちょっと予想外だろ(*-`ω´-*)」

「…なんでちょっとドヤ顔なのよ」

「誰かさんみたいに単純じゃないんだよなぁ…。俺の役目は」

「うわ、喧嘩売ってるでしょー(●`з´●)」

バシッ★(。・ω・。)つ☆

「いっっって!」

「こら。皆それぞれの役目が大切なんですから、そこ張り合ってもしょうがないでしょ? 馬鹿なこと言ってないで、始めますよ」

「ちぇ…分かってるよ。ちょっとくらいいいだろ…(;-`Д-´)」

(委員長つえぇ…笑)

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

さて、ヒロさんのこと。

彼の役割は、初期の頃からわりと明確でした。

内政

私の趣味、興味、好きなもの…。

内面のを担ってくれているのが、住人の中でも最年長の、ヒロさんです。

ただし、気の弱い(よく言えば優しい)おじさんなので、彼は単独ではあまり主張をしたがりません。

状況や周囲の様子、人間関係に合わせて、自己主張を引っ込めがちなのが難点でした。

ただし、人との衝突をしない為に表立った主張を避けはするのですが、彼の存在はきちんと根強く私の中に一本の芯を作っていたのです。

 

私が住人に気がつく以前…自分の中身を放り投げて仕事に取り組んでいた頃は、彼は自ら部屋の中から出ずにいたようでした。

つまり、その時の私には彼の担っている「好きなもの」に割く時間やエネルギーが残されていないと知り、それができないことに対するストレスで更に苦しむことのないように、ひっそりと存在を消していたのかもしれません。

だからその頃の私は、本当は違うところに自分のやってみたいことがある、ということ自体に気づいていませんでした。

目の前のことをこなしていくのに、ただただ精一杯だったんですね。

誰にも汚されたくない部分を、ヒロさんなりの方法で大切に守ってくれていたのだと、今なら分かるのです。

 

小学生の頃から、創作は大好きでした。

決して上手いわけでも、筆がはやいわけでもありませんが。笑

書きたい内容は頭の中で、いくつも浮かんだり消えたり…そして残り続けたりを、波のように繰り返していたのです。

小説の真似事のようなものをいくつか書いてきましたが、それも大学~就職のあたりでぱったりやめてしまっていました。

栗色の扉の中は、すべてがなつかしい雰囲気を持った「昭和」の部屋。

その中に、私が大切にしたいものすべてをしまいこんで、ヒロさんはずっとその守り人をしていたのでしょう。

表に出ていないのですから、彼の存在や信念を傷つける者はだれもいません。

ヒロさんは、ずっとふらふら寄り道している私を、気長に待っていてくれたのだと思います。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

前職を辞めてまず考えたのは、私は本心では何が好きで、何がやりたいのだろうか、ということでした。

もう決して、自分の人生の選択を、人に委ねたりしないと誓ったのです。

間違えたら、間違えたでいい。

気づいたら間違える直前の分岐まで立ち返って、次には間違えることのないように、慎重に歩き直せば良いだけのこと。

そう開き直って、「尊敬する上司が期待する姿を目指す私」ではなく、「私の本能が望む私」の生き方を見つけようと思ったのです。

ーーその時が、住人の中でもヒロさんをはじめとする「内政担当」の手の内にある願望を、きちんと目を開いて見つめられた瞬間だったのかもしれません。

住人たちがいてくれたから、私はそこからが本当に楽でした。

私の中の住人それぞれに、抱えている想いや望み、葛藤などがありましたから、あとはそれを丁寧に見つめて、紐解いていくだけで良かったのです。

 

ヒロさんの世界は本当に面白いです。

彼の命は「書くこと」でした。

実は、「ヒロさん」という名前は私のネタ帳(?)に長いこといる、あるお話に出てくる小説家のおじさんから取っています。

あまりにもイメージがぴったりだったので、ヒロさんは見た瞬間から「ヒロさん」でした。笑

小説ばかりではありません。

物事を整理して考えるのにも一役かってくれるので、私は頭がこんがらがりそうな時、ペンを走らせます。

そして自分の内側にあるものを書くことで外へ出し発散もしているのでしょう。

書いたあとはいつも、心なしか晴々とした気持ちになるのでした。

 

ヒロさんは「言葉」への独自のこだわりが強く、次の職もその方向性で見つけてみたいと思い、仕事を辞めてからその方面の勉強をはじめました。

読むこと、そして書くこと。

文章に携わることを、生活の一部に取り入れられたらどんなに幸せでしょう。

ただし、まだこの頃は、自分の書いたものはあくまでも自己満足であって、公にするつもりはあまりありませんでした。

親しい人には「実は書くのが好き」と話していましたが、実績もない自分が得意気に話すようなことでもないので、人を選んで…といったところ。

このあたりがヒロさんらしいと言える部分で、彼はわりと「書くこと」自体で満足してしまえるようでした。

それなら「書くこと」を仕事にはしなくても、趣味としては続けていこう! そんな風に、思っていました。

ただ、人から見て自分が生み出した作品がどう捉えられるのか…にはもちろん興味があったので、幾つかの賞やコンクールに応募するということをはじめたのも、この頃から。

今まで自分のペースでしか書いたことがなかったので、その締め切りに向けて、あえて決められた枚数の中で書くという作業も、新鮮でとても楽しかったです。

また改めて別の記事で書くつもりなのですが、ヒロさんの「書くこと」についてはその後重要なできごとがあり、私はその時の体験と気持ちをとにかく大切に、今も過ごしています。

現在、彼の要素を大事にしようと強く心掛けて育てているからこそ、希薄だった彼の存在が確実に大きな力を持ち始めているような気がしてなりません。

 

一度おおいに開き直った私は、急に自分の心に正直になりはじめ、とにかく興味を持ったことに貪欲に手を伸ばすようになりました。

書くことだけでなく、剣術や居合・柔術などの古武術と出会ったのもこの頃。

和の要素満載の古武術では、ヒロさんが生き生きとしているのはもちろんなのですが、なんとアニキまで喜んでいるようなのです。

それに気づいてからは、正直最初は問題児扱いだった彼のことが可愛く思えて、ますます彼のキャラを好きになりました。笑

古武術のことで心の中が盛り上がりをみせている時は、特に面白く…。

それまでは一緒にいた場面を意識したことのなかった二人なのに、アニキがいつの間にか、ヒロさんのことを「オッサンオッサン!」などと呼んでずいぶん懐いているのです。

剣術などのお手本を見せてもらったりすると、「かっけぇぇ!」とお散歩中の犬並みにはしゃいでいたりします。

男の子ですね。笑(注:私は女ですが!)

こんな風に、住人同士が関わり合いながら過ごしている瞬間のイメージが唐突に浮かんだりすることもまれにあり、それを意識する度に、私も心の中の6人のことがどんどん好きになっていくのでした。

 

長年憧れていた和太鼓のお稽古ごともはじめ、今は気がつけば、ヒロさん要素満載で生きています。

ずっと抑え込んでいた反動もあるのか、私は自分の「好き」に対して一切妥協しなくなった気がします。

――何しろ、「好き」の力は侮れません。

好きなものを思い切りできるフィールドというのは、いくつあっても良いものです。

むしろ多ければ多いほど多方面から、元気の源だったり、癒しだったりをもらってくることができますから。

良い仲間に恵まれたら、さらに怖いものなしです!

 

これは余談ですが、自分にとっての「居場所」と言える居心地の良い世界を増やしていくだけで、人生はひと回りもふた回りも豊かになると私は実感しています。

自分がどれだけ追い込まれた状況になっても、多方面に「居場所」があれば、どこかで必ず力になってくれる人が現れるからです。

大切にするべき人を大切にするという基本的なことを重ねているつもりなのに、いつの間にか自分の方が助けられているな…と近頃よく考えさせられます。

そんな風に、決して長くはない期間の中でも、「外交」担当の工夫に満ちた社交術「内政」担当の守っていた自分の世界とをきっかけに、私はいろいろな出会いに恵まれました。

それも、外交内政の絶妙なバランスがあってのことでしょう。

 

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 

 

まとめとして。

内政」担当は、自分の求めるもの本能的な願望と深く結びついている可能性が高い、という結論に至っています。

だからこそ、日常への満足感や幸福感を得るためには、彼らの話に耳をすませることですね。

私の場合、ヒロさんを大切にすることが、そのまま自分の望みを叶えていくことなのですから。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

さて、最後にひとつ、ネタばらしをしましょう。

ひとつひとつの記事を書いた後に、いちばん最後に▲マークで私の住人の名前を書いてきました。

これは、書いた記事の内容で、誰の要素が強めに出ているかを観察したメモです。

今までは必ずヒロさんは出てきていましたが、今回は自分の話がメインだったからか、終始委員長でしたね。笑

 

→ それでは次回から、いよいよまもるくんにライトを当てましょう。

 

 

▲ Iincho

 

第12回 住人の役割を考える③

 

 

 

 

 

前回のあらすじ。

 

委員長、裏番長になる!(by リンさん)

 

「やめてくださーーい!ο(>o<;)ο」

「裏かよ、こえー女だなぁ。笑」

「大丈夫、裏番長ってなんかすごく格好良い響きじゃん? 強そうだし!」

「大丈夫★ …じゃないですよもう!(> <)」

ア・リ(委員長いじりが楽しすぎる…笑)

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

リンさんの行き当たりばったりを見かねて、でしょうか。

気がつけば委員長が、内側から「空気を読む」とか「周囲になじむ」という面のサポートをし始めたというわけです。

実際に表に出ているのはリンさんなのですが、その言動や判断の根幹を握っているのは委員長

二人の要素が混ざり合っている状態ですね。

委員長は、表ではなく、まさに影の立役者です。笑

そんな具合に、リンさん委員長のタッグで日常を過ごすような場面が多くなり、そのお陰で私は以前の何倍も精神的に楽に過ごせるようになりました。

委員長の本来の役割は、恐らくこのように大きな括りでは「外交」でありながらも、内側から外に出ている住人の舵取りをするようなことだったのかもしれません。

表でひとり戦わせることには、不向きなのでしょう。

委員長にはこうして、内側から「外交」…つまり対人系の対応全般の頭脳として力を発揮してもらうべき、というひとつの答えが導き出されました。

自分の中にいる住人の役割と扱いを工夫するだけで、こんなにも大きな変化があるなんて、予想もしていないことでした。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

続いて、アニキについて。

アニキは私にとって、「怒りと反発」の体現者です。

彼がいないことにされていた頃は、私は自分の中に怒りの感情を見つけることができませんでした。

けれど、人間の感情の中から喜怒哀楽のどれかが欠けてしまうことなど、本来はあり得ないですよね。

人によって、その現れ方発散方法に違いがあるというだけの話です。

私の中にたしかに「存在していた」アニキは、私に気づいてもらえたことで、本来の役割である感情のガス抜きをきちんと担ってくれるようになりました。

彼の場合は、中に居て、私がその存在を認識するだけで役割完了なのでとっても楽です。笑

委員長のストップが厳重なので、怒りをそのまま表面に出すことはしないのですが、心のなかで私に自覚をさせるかのように感情を主張してくれます。

…ということは、やっぱり「内政」なのでしょうか?

私の「怒りや反発」の部分を、中で調整してくれる役割のようなので、最初はそう考えていました。

 

しかし同じ頃、自分の言動を観察するうちに、また新たに気づいたことがあったのです。

それは家族や、近しい友人(特に私よりもおっとりふんわりしているタイプの子)や、ちょっとやんちゃな子どもと接する時の自分について。

その時の自分は、精神的にも言葉使いも、若干「男らしく」なってる…? と、ふと思ったのです。

昔から、そんな様子になっている瞬間があると、ぼんやりとした自覚はありました。

けれど、もちろん当時はそこまで自分の内面を掘り下げていませんでしたから、ただの変な癖かな…という程度の認識です。

改めて考えてみて、ハッとしました。

これはまさに、「アニキ」が表に出てきているんじゃないか? …と。

人に自分の意見を伝えたり、アドバイスをしたくなったり。

頼ってもらえて頑張りたくなったり、やんちゃな子どものお世話を焼こうとしたり。

そんな時の自分は、進んで男性的な役回りをしたがる傾向がありました。

実は壊滅的に(?)人に「頼る、甘える」が苦手な紺野なのですが、「頼られる、甘えられる」のはめちゃくちゃ嬉しいんですよね。笑

自分にできる範囲のことであれば人の力になりたいし、それをさせてもらうことで、精神的に充たされているようなところも多いのです。

一肌脱ぎたい! と思ったら、顔が勝手にキリッとなってしまうような。笑

その時の自分のイメージが、ぴったり「アニキ」と重なるのでした。

待って? アニキ、普通に出てきてるじゃん…外に!

気がついてみて、とにかく驚きました。

彼は「怒りや反発」を体現するためだけの存在ではなかったんですね。

 

…ストンと腑に落ちたといいますか、納得してしまいました。

なぜ私が、咄嗟に彼の名前を「兄貴」としたのか。

その瞬間は直感でしかなかったのですが、暴れん坊でひねくれ者なら別に「不良くん(酷い?笑)」でも良かったではないですか。

委員長の正反対に位置する立場のキャラと言えば、不良ですから)

現に、見つけたばかりの頃は彼のことを「不良みたい」だという認識でしか理解していなかったので、そうなってもおかしくなかったはず。

それでも無意識に「アニキ」と名付けていた理由がそこに繋がっていたのだと気づいて、私はこの精神分析法に対して、ある種の畏怖を感じたわけです。

住人の設定を意識的に創作したわけではないのに、後からきちんと根拠と理由をもって繋がってきたということは、深層心理からの働きかけに近いものがあります。

いよいよ侮れんぞ…これは! と、ドキドキしたのを覚えています。

 

さて、こうして分かったアニキの「外交」としての役割。

彼の場合、本来は外側を担っていたところ、人の顔色を気にする委員長の影響もあって、どこかの段階で「怒りや反発」の表現を内側での働きかけに切り替えたのでしょう。

その際に委員長の指導が行きすぎて、「アニキは表に出さない方がいい→いないことにしてしまおう」となってしまった…というところでしょうか。

結果、現在は両面での役割を持つようになっているのだろう、というのが今の私の見解です。

アニキもまた、「兄貴らしく」振る舞う瞬間に表に顔を覗かせるようになりました。

もちろん、彼の場合はリンさんよりも慎重に委員長の管理下に置かれていますが。笑

この頃から委員長はだいぶしたたかに生きるようになってきましたから、次第にその「司令塔」のような立ち位置に慣れてきた様子でした。

アプローチの方法や接し方は、「リンさんベース」にするのか「アニキベース」でいくのか相手によって変えていくようになったのですが、判断の部分はあくまでも委員長

善悪の基準許容と拒絶モラルの判断などを、彼女がさばいているのだな…という結論に至っています。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

アニキの例も挙げてみて、思ったことがあります。

本来、「内政」「外交」はきれいに二つに区切ることができる…とも限らないのでしょう。

それは住人同士が単体で動くことばかりでなく、他の住人とタッグを組んでなにかをこなしたり性質が溶け合ったような状態で現れることもありうると分かったからです。

ただ、本来得意としている方向性は、確かにどちらかにあるということなのだと、私はとらえています。

本来は内政担当でいたいはずなのに、状況によって表に出ざるを得ないと判断して出てくるという、まもるくんのような状況もあり得るということです。

まもるくんについての話は、また追々じっくりすることにします)

それはできる限り避けてあげたいところですが、人生は何が起きるか分かりませんから、どんな時も住人全員で協力して全てを乗り越えていく必要があります。

いざという時にそれができるチームを、心の中に準備しておくことも、大切ですね。

 

あなたの心の中には、どんな住人がいるのでしょう。

いつか、多くの人から ひとりひとりの胸の中にいる住人たちの話を聞いてみることも、私のささやかな夢のひとつです。

ぜひ、自分の要素である住人を、大切にしてあげてください。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

→ 次回。役割について、今度はヒロさんのお話。

 

 

▲ Hiro / Iincho